創作着想辞典
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ドウケツエビ

洞窟ではなく,カイロウドウケツを代表としてカイメン類の胃腔内に生息することからその名がついたエビ.幼生期にカイロウドウケツの網目を潜って内部に侵入し,そのまま成長して閉じ込められる生態を持つ.
1000m程度の深海に生息する種であるが,カイロウドウケツごと打ち上げられた際につがいの2匹で見つかることが多く,その様が故事の偕老同穴に見立てられて縁起物としてその名がついた.
カイロウドウケツの外骨格は光ファイバーと類似した構造をしており,近くを発光する生物が通過した際にその光を全身へ運ぶ特徴が見られる.ドウケツエビの幼生はそれに集まることで侵入すると考えられている.侵入時点では幼生の性別は未確定であり,大抵の場合は2個体が侵入し,成長する過程でそれぞれが雌雄に分化する.3個体以上入っている場合も確認されている.
ドウケツエビは同じ環境に生息する十脚目と比べてエラの呼吸能力や固い外骨格などが退化しており,その生活を完全にカイロウドウケツへの共生に依存していると考えられる.
美ら海水族館において飼育下で6年間生存したという報告がある.

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