創作着想辞典
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汚染された紙幣

基本的には薬物,特にコカインに汚染された紙幣を指す用語.稀に伝染病にまつわる文脈で用いられることもあるが,現状紙幣を通じたパンデミックにつながるような感染経路は立証されていない.但し,後述するスニッフィングに伴って付着した血液によるC型肝炎の流行が懸念された例はある.
2009年にマサチューセッツ大学ダートマス校のYuegang Zuoが中心となって行われた研究では,アメリカやカナダで流通している紙幣の85~95%からコカインが検出された.ボストンやデトロイトなどの大都市ほど汚染率が高い傾向にあり,ワシントンD.C.においてはドル紙幣の95%がコカイン付きであった.
要因の一つとして,コカインを筆頭に粉末状の薬物を鼻の粘膜から摂取するスニッフィングの際に丸めた紙幣が用いられることが多いことが挙げられる.ストローは硬く,丸めた紙だと鼻に応じてフィットさせて無理なく吸えるほか,財布は基本的に常に携帯しているためクレジットカードで砕いて紙幣で吸うという行為が常識化している.また,汚染された紙幣が流通し,銀行やレジなどで他の紙幣と重ねられた際に汚染が広まることも要因である.
MDMAや覚醒剤なども同様にスニッフィングで摂取されることのある薬物だが,コカインに比べて分解の速度が速く,検出されない可能性が高い.ドイツなどで流通するメタンフェタミンは製造工程で混ざる硫酸塩の比率が高く,それらが分解されて硫酸となることで紙幣がボロボロになるという弊害も報道された.
日本国内においては,コカインのスニッフィングにはウォン紙幣がいいという風潮がある.

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