創作着想辞典
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キティ・ジェノベーズ事件

1964年にアメリカ合衆国ニューヨーク州キュー・ガーデンで発生した殺人事件.多くの目撃者がいながら誰も助けに入らなかったことが問題視され,社会心理学における傍観者効果が提唱された.
 被害者であるキャスリーン・ジェノベーズ Catherine Genovese (通称:キティ Kitty)が帰宅途中に暴漢に襲われ,死亡した.当時彼女は仕事先のバーから帰宅している最中であり,事件現場はキューガーデン駅からほど近い住宅街内であったため,午前3時過ぎではあったものの事件の目撃者が多数いたとされる.実際に事件発生時に彼女の悲鳴を聞いて周囲の住民が窓から覗いたり大声で犯人を非難したとされるが,結局彼女が死に至り,犯人が車に乗ってその場を後にするまで直接現場に止めに入った人物はいなかった.
 この事件がきっかけとなり,「事件等の目撃者は,他にも大勢の目撃者がいることを意識すると自ら行動を起こすことに対して消極的になる」という傍観者効果が提唱され,新たな問題として盛んに議論されるようになった.
 2015年に彼女の弟が当時の目撃者をインタビュして回るドキュメンタリ映画『The Witness』が公開された.また,2014年には証言や証拠の整理によってこの事件に傍観者効果が実際働いていたかは疑わしいと考える記事が発表されている.

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