創作着想辞典
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北センチネル島

インド洋のベンガル湾内に位置するインド領の島.アンダマン諸島に属する.
 北センチネル島の住民は極めて排他的な性質であることで知られ,形式上はインドに属するものの自治は完全に住民内で完結しており,インド政府は法律によって不干渉地域と定めている.
 住民に対する接触・交流はほとんど成功していないため詳しい文化,言語や身体的特徴,DNAなどの情報がほぼ存在しない.1990年代に行われた数少ない交流の際の調査からセンチネル語の体系がわずかながら推測されており,最も近い文化圏であるアンダマン語との比較によって数千年にわたって文化交流が途絶している可能性が示唆された.
 先述の90年代の調査(インド国立人類学研究所チームなど)の際や2004年のスマトラ島沖地震を受けてのヘリコプターによる空中からの調査の際,来訪者に対して矢を構える・射る様子が確認されている.2006年,ボートでカニの密猟をしていたインド人2人が漂流し,北センチネル島に漂着した結果,矢で殺害された.2018年には福音派の宣教師がセンチネル島の住民をキリスト教に改宗させようと接近して殺害され,ダーウィン賞を受賞した.
 1970年代,アンダマン諸島に属する部族であったジャラワ族に対するフィールド調査や近隣の開発の結果,麻疹など彼らにとって未知の病原体がエンデミックを起こし,人口が激減した.これを踏まえインド政府はジャラワ族やセンチネル族などを「未接触部族」に指定し,彼らに対する接触を公私共に厳密に法で禁じている.

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